個人情報に敏感な欧州、麻痺している日米

サイバーセキュリティー法案、米国上院が可決。アップルなどハイテク企業は反発
Gizmodo 2015年10月

欧州司法裁判所によるセーフハーバー協定無効判決について
InfoComニューズレター 2015年10月8日

このふたつの動きは興味深いところです。

米国のサイバーセキュリティー法案では、米国政府はサイバー攻撃などの証拠になる企業データ(ユーザーの登録データなどをふくむ)にアクセスしチェックできるようになります。

欧州司法裁判所によるセーフハーバー協定無効判決により、欧州の人々の個人情報は米国の企業により欧州の外に持ち出されることが禁止されるようになります。

米国はますます国家による個人の監視を強めていく動きだし、これに対して欧州では米国による無制限の個人への監視、個人情報の収集には反対の立場を明らかにしています。ヨーロッパの人たちの人権意識は極めて正常で、日本や米国ではこうした国家による無制限の個人への監視に批判的な空気が乏しいのが異常なような気がします。日本人は他の国民よりも正常性バイアスに支配されやすいのではないかと思ってしまいます。

正常性バイアスとは、

社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。 自然災害や火事、事故・事件・テロリズム等の犯罪などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価したりしてしまい、「逃げ遅れ」の原因となる。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う Wikipedia
ということで、一般には犯罪被害や自然災害などの場合にみられるとされているが、国家による異常なほどの国民への監視という都合の悪い情報を無視したり、過小評価したり…にもあてはまっている感じがします。第2次世界大戦前には、戦争が忍び寄る全体主義的な政治の流れに対しても同様の現象が起こったのでしょうし、今も同じようなことがおこっているようです。

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